海外大学院への進学について

私自身の失敗や成功の経験を踏まえて、これから海外大学院を目指す方に役立つ情報をお届けします。

1. 海外大学院への失敗

私が海外大学院を目指したのは、大学院修士課程の2年生の4月でした。 アメリカの大学院で研究したいと思い、同じ分野で有名な大学や、 自分の興味に合った研究室を2〜3校選び、指導教員にメールを送りました。 返事をいただいた先生方からは「TOEFLとGREのスコアが基準を満たしていれば歓迎」との回答をいただきました。

当時の英語力は、日本の大学院入試のために受けたTOEICが860点ほど(※TOEICの勉強法はこちら)。 しかしTOEFLはまったく別物でした。リーディングでは専門用語が多く、 リスニングは大学の講義形式、ライティングとスピーキングは瞬時に英語で思考・表現する力が求められました。 初回のスコアは60点台からのスタートで、なかなかスコアが伸びず苦戦しました。 (※TOEFL勉強法はこちら

GREは時間的な余裕がなく、1回しか受験できませんでした。 それでも出願にはスコアが必要だったため、とりあえず受けたという状況です。 TOEFLスコアが出願校の基準に届いていなかったため、教授に相談すると 「スコアは不足しているが、推薦などで対応できるかもしれない。とりあえず出願してみては」 という返答をいただき、出願を決意しました。

結果は、全校不合格。どんなに教授の理解があっても、他の候補者と比較された際、 やはり基準点に届いていないと入学許可を得るのは難しいという現実を痛感しました。 結局その年は日本の大学院博士課程に進学することにしました。

2. 成功への一歩

TOEFLのスコアを伸ばすため、そしてSpeakingとListeningを強化するために語学留学を決意しました。 同時に、研究室訪問も兼ねて教授や在籍学生と直接会って話すことが目的でした。 (※語学留学についてはこちら

実際に訪問した際には、研究内容への関心、自分のスキルとの関連性、そして一緒に研究したいという熱意を伝えました。 教授や学生との会話を通じて、自分の将来像や進学後のキャリアも具体的に想像できるようになりました。 帰国後はさらにTOEFL対策に力を入れ、スコアを基準以上に伸ばすことができました。 GREも語彙力を強化し、数学は満点を目指して対策し、再度受験しました。

3. 大学院の出願に向けて

TOEFLとGREの勉強を継続しつつ、以前訪問した大学以外にも、 自分の研究分野と合致する大学院の教員にメールを送りました。 州立大学・私立大学を合わせて約15校に連絡し、 自分の研究とのマッチ、自分のスキルや研究経験がどのように活かせるかを伝えました。

そのうち5校から返信がありましたが、私立大学からは学費のサポートがないということで出願を見送りました。 結果的に、カナダのトップ大学とアメリカの州立大学2校に出願しました。

4. 出願の結果

カナダの大学院からは不合格通知が届きました。 トップ校で人気もあり競争率が高いため、仕方のない結果だと思っています。

一方で、アメリカの州立大学2校からは合格をいただきました。 最終的には、語学留学と研究室訪問を行った大学院への進学を決めました。 教授や学生と直接関わって築いた信頼関係が、合格につながったのだと感じています。

5. これから海外大学院を目指す方へ

私はTOEFLを受験しましたが、現在ではIELTSの方をおすすめします。 ヨーロッパではIELTSが主流であり、アメリカの大学院でもTOEFLと同等に評価される大学がほとんどです。 行きたい大学がTOEFL限定でなければ、IELTSを選択肢に入れるとよいでしょう。

IELTSを実際に受けたことはありませんが、Reading, Listening, Writing, Speakingの4技能を鍛える点はどちらも同じです。 出願の選択肢を広げるという意味でも、IELTSのスコア取得を目指すのは有効な戦略だと思います。

興味のある研究テーマがあれば、その分野の論文を読み、関わっている先生に思い切って連絡を取ってみてください。 もし返信がなかったとしても、指導教員に相談したり、別の先生に連絡を取ったりすることは何も悪いことではありません。 また、学会やカンファレンスの場で研究発表をしている学生に声をかけ、指導教員を紹介してもらうという方法もあります。 研究者は、自分の研究に強い関心を持ってくれる学生を歓迎しないはずがありません。 拙い英語でも、熱意や誠意は必ず伝わります。 できるだけ多くの人とつながることが、自分に合った進学先と出会うチャンスを広げ、海外大学院への道を切り開く鍵になります。

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